僕は次医学部の6年ということで、実習でもほとんど全ての診療科を周り、色々な診療科のことが段々わかってきました。そこで今回は診療科ごとの医師の働き方の違いを今回はまとめていこうと思います。
内科系
消化器内科
- 医師不足感があるので給料は高めという印象
- 胃カメラや内科全般のバイトが出来るのでバイトの幅が広く割りもいい
- QOLは忙しそうという印象。緊急での検査や呼び出しが結構あるようです。
- 男女比に関しては男が圧倒的に多いが、最近は女子の中でも志望者が結構いる。
- 診る範囲が広いためか人気は高い
循環器内科
- 医師不足感があり、給料は高めの印象
- カテーテルの手技が好きな人が行くイメージ。
- QOLは内科の中では一番大変そうなイメージ。緊急も多いし、カテーテルも全部立ちっぱなので体力も要りそう
- バイトに関しては心電図が得意なので内科当直系は得意
- 男女比は男ばっかり、女の人はほとんどいない
- 昔は内科の王道の1つでそれなりに人気だったようだが、今はマイナーの方が人気かなという感じ
呼吸器内科
- 内科の中では医師不足感がかなり高め
- 気管支鏡の検査は患者さんが大変そう
- QOLは病院にもよるかもしれませんが、一般的には緊急とかもあって大変と言われている。
- バイトは普通の内科の仕事が主なのかな
- 男女比としては女の人も少しはいるイメージ
- 内科の中では内視鏡したいなら消化器、QOLを取るにしても大変ということで人気が低いイメージ。人が足りてないので仕事に困らないらしい。
脳神経内科
- 内科の中では真ん中くらいの大変さのイメージ
- 脳のカテーテルなどの手技に関しては脳外科がやってくれるのでそこまで大変な手技はなさそう
- ただ緊急の症例はあるのでQOLは真ん中くらいかなという印象
- 女の先生も最近は増えている
- 患者数も高齢化に伴い増えている
腎臓内科
- 内科の中では最近人気が上がっているイメージ
- 透析の仕事は現状給料が高く、そのためバイトも含め給料が高いよう
- 緊急とかは少ないのでQOLも高いイメージ
- 男女比は結構女子も多い
- 透析の人数のピークは過ぎているのでこれから医者が余って来るかもしれない
糖尿病・内分泌内科
- 内科の中では一番楽そうなイメージ
- 大変そうな手技とかはあまりなさそう
- QOLが明らかに高そうなので最近は人気がかなり高い
- 男女比は女の人が昔から多く、今も女子がかなり増えている
- QOLは高いので、内科のバイトをしやすく給料は合計するとかなりいいという話もある
- 女子からの人気が高すぎて、男子でも人気が上がっているので内科の中では一番医者が余りやすそう
糖尿病内科については人気の理由を詳しく書きましたのでこちらも参考にしてください。
リウマチ・膠原病内科
- 内科の中ではある程度全身見れるようになってから来る人もいる
- 大変な手技とかは少なさそうで、緊急とかもあまりなさそう
- 男女比は最近は女子の志望者も結構いるイメージ
- 人が余っているという印象はない
- 総合内科から来る人もいるよう
血液内科
- 内科の中ではそこまで大変ではなさそう
- 緊急は少なく、5時で帰ってる先生もいたりする
- 最近女の先生も増えている
- まだ医者不足感はある
- 研究が進んでる分野でどんどん新薬が出ている
腫瘍内科
- 京大の腫瘍内科は消化器内科から分かれてきているので消化器癌を主に扱っている
- 消化器内科から来る人や血液内科から来る人がいる
- QOLとしては消化器内科に比べれば緊急とかが少なくまだ働きやすそうなイメージ
- 研究の進んでいる分野でもあるので研究者のイメージもある
外科系
消化管外科・肝胆膵外科
- 昔は外科の王道で人気もあったよう
- 最近は新専門医制度の影響もあり外科全体として人気が下がってきている
- 緊急もある上に長時間の手術も多いのでかなり大変そう
- 大変なのでバイトもしづらそう
- QOLが低い
- 女の人も市中病院には多少はいるが大学病院には全然いない
心臓血管外科
- 手術がかなり大変そう
- そもそも専攻医の間は心臓の手術はなかなかさせてもらわないくらい一人前になるのに時間がかかるよう
- 女の先生はほぼいない
- アメリカでは給料が一番高い診療科の1つだが、日本ではそんなこともない
- 日本は循環器内科がする治療の範囲も広く日本では追いやられがち。病院によっては循環器内科と仲が悪かったりもする
- このままでは心臓血管外科に行く人はいなくなると思う
呼吸器外科
- 外科の中では手術時間も短く、まだQOLが高いと言われている
- 男女比としては女子も多少はいるみたい
- 京大は肺移植もよくやっていたりするのでそれは大変そう
- 医師不足感は普通にある
乳腺外科
- 外科の中ではそこまで手術は大変ではなさそう
- 男女比としては女子の割合が高め
- ただ、新専門医制度のせいで他の外科もやらないといけなくなった
小児科
- 子供が好きな人が多いイメージ
- ただ子供を扱う分責任も重く、ご家族の対応もあるので大変なイメージ
- 病院としての利益が出づらいというのもあるし、子供が減っているというのもあったりで逆風
- ただ子供好きにはそれでも結構人気
- 女の先生は結構多い
産婦人科
- いつ突然お産があるかわからないので一番大変な診療科というイメージ
- 医師不足が最も深刻そう
- 医師不足でバイトの給料はかなりいいらしい
- だからこそ経営する側は利益が出づらい
- 最近の入局者は女の先生ばかり
- その女の先生たちも産婦人科の中で楽めな仕事しかしたがらず、男の先生の負担が増え、男の人は入局を避けているイメージ
- 産婦人科の待遇を何とかしないとまともに子供を産めない国になりそう
脳神経外科
- 一番エリート感がある
- 手術時間は長そうだし、その上かなり細かい
- カテーテルの手技もやらなければならない
- 緊急手術もある
- 男社会だがたまに女の先生がいる
- QOLは低め
- 脳神経外科は単独の専門医なので他の外科をやったりはしなくて良い
整形外科
- 大工さんみたいな手術が多い
- 手術時間はそこまで長くないものも多いので、緊急の外傷がないならそこまで大変なわけでもなさそう
- 男社会だが最近ごく稀に女の人がいる
- QOLは外科の中では緊急の少ない分高いのかもしれない
- 最近高齢化に伴い患者数が急増しており、必要性が増している
- 特に脊椎外科となると給料のめちゃくちゃ高い常勤の仕事とかがある
- 外科当直などのバイトも多くバイトの割がかなりいいみたい
形成外科
- 手の外科や先天奇形や悪性腫瘍などの手術と再建をする診療科
- 美容外科を目指して学ぶ人も多く、最近は人気診療科の1つ
- 緊急の呼び出しとかはあまりなさそうなのでQOLは高いと言われている
- 手術は細かいものもあるが、レーザー治療などは短時間で終わる
- 女の先生もそれなりにいる
- 美容外科になれば年収は最も高そう
皮膚科
- QOLが高く女の先生の割合がかなり高い
- 緊急症例は少なく、アメリカでも一番人気の診療科
- 最近の若い先生は女の人ばかりのイメージ
- 医者が一番余っていて給料が低めだが、美容皮膚科に行くとそれなりに稼げるイメージ
- 開業資金が少なめでできると言われているが、開業数も多く競合が激しそう
- マイナー科人気が高いので、都会でなるのは大変そう
眼科
- QOLが高いと言われ、人気の診療科
- 女の先生も多いが男の先生もそれなりにいる
- 一昔前はレーシックの手術など自由診療があったり、コンタクトがあったりと勤務医でも開業でも一番稼ぎやすいと言われていた
- 大学病院でも手術時間はかなり少ないのでQOLは高そう
- 昔は稼げたとよく言われているので最近はそんなになのかもしれない
- マイナー科人気が高く人気診療科
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
- マイナー科人気が高いのでそれなりには人気、アメリカでもかなり人気らしい
- 皮膚科、眼科ほどではないが女の先生もいる
- 眼科に比べると少し手術の時間が長く大変そう(特に頭頸部外科)
- 内科的な部分もあるので、内科外科両方やりたい人にもオススメらしい
- 開業がしやすいと言われるが競合も激しい
- 皮膚科や眼科と違い自由診療の部分がないのでまだ人気が少し低い
泌尿器科
- ロボット支援手術もあり結構大きな手術もあるイメージ
- マイナー科の中で人気が低い
- 男の先生が多く女の先生が求められている
精神科
- QOLは高いと言われていて、最近医師数が増えている
- 女の先生もそれなりにいる
- 開業には一番資金がかからないと言われる
放射線科
放射線診断科
- 画像診断が主な仕事でQOLが高めと言われる
- 画像診断のバイトもできるので、稼ごうと思えば稼げるが結構疲れるらしい
- 放射線科全体として主治医になりにくいので夜呼び出されたりしないのでQOLは高い
- 女の先生も多め
放射線治療科
- 悪性腫瘍の放射線治療が主な仕事
- 最新の機械を用いて放射線の照射範囲を決める
- かなり医師不足らしい
- 夜の呼び出しとかはないからQOLはそれなりに高そう
麻酔科
- 担当患者がいないので夜の呼び出しとかはない
- QOLは高めだが、朝は早い
- 勤務医であれば一番給料がいいと言われていた
- 専門医を更新するために同じ施設で週3回は働かないといけなくなり、完全にフリーランスでは働けなくなった
- バイトの給料は高いらしい
- 女の先生も多め
まとめ
医学生目線なのでまだわかっていないことや間違っていることもあるかもしれません。こう見ると女の人が多い診療科はある程度QOLが高いと判断できるのかもしれません。
日本の医師の変なところはバイトで稼ぐため、大変な診療科ほどお金まで稼ぎづらいところです。だからこそQOLが高いと言われる診療科ばかり最近は人気です。
どの診療科も大変と言われることがありますが、各診療科を回ると明らかに診療科ごとに雰囲気が違うので、進む診療科に迷っている人はぜひ参考にしてください。また、各診療科には診療科偏在を防ぐための人数制限というものがあります。そのデータを下記の記事で公表していますのでそちらも参考にしてください。