今回は医学部の留年率という話をします。医学部というのは最終目標が医師国家試験に合格することであるにも関わらず、学生の間に留年して医師になるのが遅れてしまうということがしばしばあります。
今回は文部科学省の公開した平成26年度入学で令和2年に卒業した各大学の医学生が入学した人数に対して、どれほどの人数がストレートに卒業できたかのデータを入手したので、留年しやすい医学部と留年しづらい医学部についてまとめていきます。
各大学の留年率
国立大学
公立大学
私立大学
医学部生の分析
僕としては京大医学部に在籍していますが、正直留年するっていう人は本当に全然勉強していないような人です。授業でほとんど会ったことのないというような人ですら、しっかり進級しているので、本当によっぽどの人しか留年しないというイメージなんですが、それでもストレートで卒業する割合は京大が91%となっています。
大阪大学医学部の友達と話すとやはり京大より少しは大変なイメージを持ち、神戸大学医学部の友達と話すと京大より楽そうなイメージを持っていました。実際ストレートで卒業する割合は大阪大学が85.2%、神戸大学が92.3%ということでイメージ通りの結果となりました。
ということでイメージとしては下記のような感じに思って頂ければいいと思います
- ストレート卒業率90%以上→楽な医学部
- ストレート卒業率80%代→普通の医学部
- ストレート卒業率80%未満→大変な医学部
留年しやすい国公立医学部
ストレート卒業率80%未満となっているのは群馬大学(77.2%)、山梨大学(75.2%)、滋賀医科大学(76.1%)、奈良県立医科大学(79.3%)、鳥取大学(78.2%)、島根大学(67.9%)、徳島大学(72.8%)、高知大学(76.5%)、熊本大学(79.3%)、琉球大学(78.6%)の全10大学でした。
こう見ると西日本の大学が多いですね。実際西日本の大学の医学部の方が国家試験合格率が低いので、仕方ない部分もあるかもしれませんが、それでもこういった大学は特に進級が厳しいと考えていいと思います。
僕は関西の人間なので関西のことしか詳しくはないんですが、奈良県立医科大学の知り合いに話を聞くと、やはり結構厳しいというような話はよく聞きます。大学に入った後に試験に追われるような生活をしたくないのであれば、受験する大学はよく考えて選ぶようにしましょう。
留年しづらい医学部
やはりストレート卒業率が90%を超えるような医学部は楽だと言えると思います。ただし、注意しなければならないのは医師国家試験の合格率です。医学部を卒業したとしても国家試験の合格しなければ医師にはなれないので注意が必要です。
国試合格率は全体では約90%ですが、大学によって結構ばらつきがあるので国家試験合格率については下記サイトにまとめられています。
私立大学の医学部は特に注意
一般的に私立大学の方が学費も高いですし、さらに留年率も高いので、私立大学の場合はさらに気をつけなければなりません。私立大学は国家試験の合格率を気にしている場合も多く、国家試験に落ちそうな人は進級させないようにしている大学が結構あったりします。
医学部で実習を始める前にCBTという試験があるんですが、CBTの合格基準は国が決めているのに、私立大学ではさらに高い合格基準を設定して進級しづらくしているってこともよくあります。
基本的には慶應や順天堂のように偏差値の高い大学の方が留年率は低い傾向にあります。なので是非受験の時に頑張れば、医学部に入った後に楽に過ごせるので受験勉強を頑張ってほしいと思います。
まとめ
僕は本当に医学部で留年するほど無駄なことはないと思います。医師になるために本当に必要な能力って病院で実際に働いていく上でしか身につくはずないのにも関わらず、働く上ではほぼ必要のないような組織学とか生理学とかで留年するなんて無駄でしかないです。
結局はそういうことが無駄だと考えている優秀な教授の多い大学では、留年率が低くなる傾向があるのです。是非受験勉強を頑張って幸せな大学生活を送ってください。