こんにちは、最近自粛自粛でやることもないので、これから医師になる人向けに診療科ごとのシーリングの人数のデータを見つけたのでまとめて載せて置こうと思います。
シーリングについて知らないよという人のために簡単に説明しておくと、新専門医制度が始まり、各診療科の専門医を取るためには3年から5年のプログラムに参加する必要が出てきています。
その上で地域ごとの偏り、診療科ごとの偏りをなくすため各都道府県の各診療科には人数制限がかかっており、それをシーリングというわけです。ちなみに外科と産婦人科などの医師不足の科目にシーリングは存在しません。
画像が少し汚く見辛いかもしれませんがお許しください。
内科
まずは内科でもちろん人数も一番多い診療科です。都会ではそれなりに人数が多いですがそれでも高齢社会ではそこまで余っていません。特に新専門医制度が始まり、それに伴い循環器とか消化器などサブスペシャリティの専門医取得までに時間がかかるようになった影響もあり特に地方の内科の人気が下がっているのが大問題となっています。もちろん内科は1つの臓器だけでなく色々みれる必要があるというのもわかるのですが、それだけでなく早く1つの臓器に特化した専門家になりたいと思う気持ちもわかるので、そういうことも可能な制度設計をしないと将来的に内科不足が深刻化するかもしれません。
小児科
小児科は大きな病院の初期研修プログラムに小児科プログラムをわざわざ設けているため医師不足と言われる診療科の1つです。ただ一方で子供好きな人には人気もある、小児科志望の医学生も結構いるように感じます。
その一方で小児科志望と元々考えていても実際に働いている人を見ると大変であったり、診療報酬の仕組み的に赤字になりやすいというのもあって、小児科のない病院があったり、医師不足の都道府県というのも出てきてしまうのだろうと思います。
皮膚科
皮膚科は今超人気診療科の1つです。一般の人で命に関わらないような働きやすい科が最近は人気と思っている方も多いのですが、アメリカでも皮膚科は1番人気の診療科であり、結構自然な現象なのです。しかしアメリカでは成績上位者しか人気の診療科に進むことは出来ないというように、そこが日本とは違うところなのです。そのためむしろ日本は自由に診療科を選べる割にはまだ上手くばらけているのかもしれません。
ちなみに京都は9人ということで京大と京府医があるため京大の皮膚科の専攻医は5人とかなので結構厳しいというのが実はあります。
精神科
精神科はこのストレス社会で必要性が増すとも言われる一方で働きやすいというのもあり人気もそれなりにある診療科なのかなという感じです。特に京都はかなり少なめの人数制限があるため、結構厳しいというのが皮膚科同様実はあります。
そもそもこのシーリングの人数は都道府県の人口を元に考えられているがそれに対して、医学部の定員が京都は2大学あることもあり多いわけです。
地域ごとのシーリングの人数を決めるのは構わないが、大学の医局に属さないと専門医を取りづらいこの医療制度の中で各地域の人口からシーリングを決められても偏在が起こるのは正直当たり前と言わざる負えないと思います。
整形外科
整形外科は高齢社会で需要のかなり高まる診療科で過剰となっている都道府県が少ない診療科です。しかしそれでも京都は15人とかになっています。にも関わらず実は京大の整形外科に入局する人は実はもっといるんです。
その理由は専門医プログラムを京大としてだけでなく、京大の関連病院がそれぞれ出しておりその中に京大での研修も含まれ、京大の医局としてのプログラムが色々あるからです。
医局に属するメリットはもちろんあるとは思うんですが、医局に属さないという選択肢を与えたほうが本当はいいと僕は思うんですがどうなんでしょうかね。誰もが医局の言うままに働く病院を決められたくはないと思うんですよね。別に色々な病院を回ることがそこまで意味があることだとも思えないので、最初の10年くらいはいいとしてもそれ以降は同じ病院で働き続けるくらいで技術的には問題ないんじゃないかと思いませんか。
眼科
眼科は人気診療科の1つです。背景には白内障の手術と言うのが今年間で行われる手術件数が一番多いというのがあったり、コンタクト処方に必要というのがあるため割のいいバイトもあると言うことがあると思います。一方で開業医の数も既に都会では充足していると言うのあるため新たに開業するのが大変とも言われます。
実際大学病院の診療を見ているとやはり大病院では医師が余っている感がありました。ではなぜそれが許されるかと言われればおそらくですが、手術の点数が高いため利益が出るからだと思います。やはり医師不足と言われる診療科は診療点数的に不遇であるため、病院としても人数を増やしづらいと言うのがありそれで余計に激務になってしまうと言うのがあると思うんですよね。
耳鼻咽喉科
耳鼻科も人気診療科の一つではありますが、眼科、皮膚科に比べると少し下と言うイメージがあります。おそらくその理由は手術時間が長めの手術もあることと自由診療がないことだと思います。
皮膚科には美容皮膚科領域の自由診療があったり、眼科では最近は少し減っていますがレーシックという自由診療があるわけです。自由診療はやはり保険診療よりも儲かりやすいというのがあるためやはりそういう科目の方が人気が出てくるのかもしれません。
泌尿器科
泌尿器科は僕自身はあまり興味がなくてよく知らないのですが、ロボット手術が多かったり大がかりの手術も結構あるんじゃないかと思います。一方で開業医の泌尿器科もあったりするので、僕自身は泌尿器科にかかったこともないためあまりイメージがわかないというのがあります。
これは泌尿器科とか耳鼻科とかで感じることなのですが、大病院で大きな手術をしていた人が開業したら全く手術することがなくなったりします。これってかなり勿体無い部分が多いんじゃないかと思うんですよね。つまり開業医になりたい人にとって大病院で学ぶことがあまり意味ないんじゃないかと思うんですよね。
脳神経外科
脳神経外科は基本的に医師不足の診療科でそこまでシーリングが影響してくることはないと思います。なぜ人気があまりないかといえば簡単な話で緊急手術もあり、命に直接的に関わってくる診療科です。さらに手術は細かい技術が必要になってきて大変そうというイメージがあるからだと思います。少し前にトップナイフという脳神経外科のドラマが放送されていましたが、あのドラマを見ると脳神経外科は家族を犠牲にして仕事をしているというように描かれていました。あんなドラマは余計に脳神経外科不足を助長するんじゃないかと心配になりました。実際はあそこまで家族を犠牲にするというイメージはないかなとも思います。
放射線科
放射線科は放射線診断かと放射線治療科に分かれるのですが、このデータだけを見るとかなり医師が余っているように感じると思います。
しかし実際の放射線科の先生たち特に放射線治療科の先生は医者が足りていないという話をよくしているんですよね。これも疑問な点で実際に必要な医師数というのをわからずにシーリングの人数が決定されてしまっている部分もあるのかなと思います。特に放射線科とまとめていますが、放射線診断科と治療科では全く別のことをやっていたりするので、まとめたシーリングというのもどうかなと思います。
麻酔科
麻酔科は医師不足が叫ばれていましたが、人数がここ10年でかなり増えている診療科です。今では担当患者がおらずQOLが高めということでそれなりには人気が高まってきている診療科だと思います。
麻酔科のバイトはかなり給料が高いと言われ、フリーランスの麻酔科はめちゃくちゃ高年収だと言われます。しかし麻酔科学会はフリーランスの麻酔科対策に専門医の更新に同じ施設で週3回働くという条件を追加したため完全にフリーランスというのは出来なくなったんです。
僕個人の意見としては正直こういう技術の関係ないルールを作るのは本当にどうかと思っていて、本当に大事なのはしっかりとした技術を持った麻酔科医を作ることです。週3回同じ施設で働くことが技術を維持するのに必要とは到底思えないので、こういうルールを作るのはどうなのかなと思います。技術がある麻酔科医が色々なところで働くのは正直自由なのではないかと思います。
形成外科
形成外科は人気診療科の1つです。こちらもアメリカでも非常に人気の高い診療科で自然な流れかなという感じです。特に最近は美容外科医になりたい人が多いと言われます。美容外科といえば一昔前は偏見がかなりあり、高収入と言われても進む人は少なかったです。しかし、最近は美容医療の需要は高まっており、偏見も少なくなってきているため、美容外科医に進みたいという人も増えているのです。しかし、美容手術を受ける人より、美容外科医になりたいという人の方が多いと言われるので大変な世界であるのも事実だと思います。
リハビリテーション科
京大にリハビリテーションの専門医を取る道がないので正直よく知らないです。リハビリテーションは整形外科や神経内科の先生が合わせてやっていたりするイメージがあるので、リハビリテーションだけの専門医というのがどういう仕事をやっているのかがよくわからないです。
まとめ
各診療科に関して僕個人の意見を色々言ってきましたが、各診療科のシーリングの人数をこれから専攻医になるという人はぜひ参考にしてください。
この診療科は将来AIに取って代わられるだの、余っていくだの色々な情報に溢れていて真実をなかなか見つけづらい世の中だと感じます。自分の進む道は自分で決めるしかないので何らかの参考になれば嬉しく思います。