みなさんこんにちは、今日は数列嫌いな人のために苦手を得意にする考え方を書いていきます。
最初の方はめちゃくちゃ簡単なことを書いているので、こんなこと知ってるわという方は問題演習のところから読んでいただけると幸いです。
文字の意味
$$a_{n}$$
これを見るだけで拒否反応を示す人がいるかもしれないですが、単に数列の\(n\)番目の数という意味です。断りのない限り数列は無限に数が続くので、そのうち\(n\)番目ということです。
$$\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}$$
これまた嫌いな人が多いであろうシグマです。シグマには和の意味があります。シグマの右にある\(a_{k}\)の\(k\)に1から\(n\)までの数を順番に入れて足すという意味があります。つまり
$$\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}=a_{1}+a_{2}+\dots+a_{n}$$
ということになります。
1つここでのポイントはこの\(k\)という文字は何の意味もないということです。\(k\)に1から\(n\)までの数を入れて足すだけなので、特に\(k\)である必要はありません。ただ単にお作法的によく使われているだけなのです。
$$\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}=\sum_{l=1}^{n}{a_{l}}$$
ということです。
そして最後に1つだけ。これは決まっているわけでなく便利だから使う記号なのですが、\(S_{n}\)というのを見たことがあるでしょう。数列の和を表す時にいちいちシグマって書くのは大変ですよね。だから、ただ単に数列の和を考えたいときは
$$S_{n}=\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}$$
と\(S_{n}\)を置くことがあります。もちろんこれはシグマで書かずとも、「\(S_{n}\)を数列{\(a_{n}\)}の初項から末項の和とする」と書いてもいいです。いずれにしても\(S_{n}\)というのは自分で置かない限り使ってはいけません。
問題演習
ここまではそんなの簡単だよっていう人も多いと思います。ここで1問だけ問題を解いて演習していきます。
\(S_{n}+S_{n+1}=2n+1\)と\(a_{n}=a_{n+1}(n=1,2,\dots)\)を満たすような数列の\(a_{n}\)を求めなさい。
$$ただし、S_{n}=\sum_{k=1}^{n}{a_{k}}です。$$
これを見たときに漸化式の問題なんてまだ全く説明してないじゃないかとか思った人は、学校や予備校の影響で頭がかちんこちんになってしまっています。
漸化式とは\(a_{n}\)と\(a_{n+1}\)の関係を表す式として習いますよね。
「漸化式には解き方にパターンがあって、確か\(S_{n}\)が出てくるときの解き方があって…」
とかわかる人は結構数学を勉強してくれているなと思います。漸化式をパターンごとに解くことができることは重要なのでまた後日記事にしたいと思います。
しかし今回はそんなの関係ありません。
というか漸化式というのは単なる数列の記号を使った式にすぎません。確かに数式を見たときに抽象的な概念として理解することによりパターン化して問題を解けるようになります。
数列の一般項を求める問題は「数がたくさん並んでいますが一体どんな数が並んでいるでしょう?」っていうだけの問題なのです。
$$S_{n}+S_{n+1}=2n+1とa_{n}=a_{n+1}$$
もう一度この式を見てください。数列の問題に限らず式を見たらまずは式の意味を理解することをしましょう。
まず後半の式の意味を考えてみましょう。ものすごく簡単です。数列の第\(n\)項と第\(n+1\)項は等しいということです。
さらにこの式というのは\(n\)がどんな数でも成り立つ式という意味なので\(a_{1}\)と\(a_{2}\)も等しいし、\(a_{2}\)と\(a_{3}\)も等しいしという感じで隣り合う項は等しいよという意味になるのです。
ここまでくればわかるでしょうが隣り合う項が常に等しいということは結局全ての項が等しいということになります。なので
\(a_{n}=a_{n+1}\)より全ての項が等しいので\(a_{n}=x\)と置く。
とでもすればいいのです。もちろんここの\(x\)で置くというのは\(a_{n}=a_{n-1}=\dots=a_{2}=a_{1}=x\)という意味です。
ここまでできたら1つ目の式を考えます。\(S_{n}\)に関する式ですが\(a_{n}\)がわかったので簡単に表すことができます。
$$S_{n}=a_{1}+a_{2}+\dots+a_{n}=x+x+\dots+x=nx$$
$$S_{n+1}=S_{n}+a_{n+1}=nx+x=(n+1)x$$
後の式も理解してくださいね。初項から\(n+1\)項までの和は\(n\)項までの和に\(a_{n+1}\)を加えたものですよね。
以上の式を\(S_{n}+S_{n+1}=2n+1\)に代入すると
$$nx+(n+1)x=2n+1$$
$$(2n+1)x=2n+1$$
\(n\)は自然数なので\(2n+1>0\)より両辺を\(2n+1\)で割って\(x=1\)
よって求める数列は全ての項が1の数列ということになりました。答えは\(a_{n}=1\)ということです。最後に\(2n+1>0\)と書いていますが、両辺を文字式で割りたいときはその文字式が0ではないことを必ず確認する癖をつけましょう。
まとめ
今回の数列初級編はここまでにします。数列というのは他の数学ⅡBの単元に比べとまだ具体的に想像のしやすい単元です。ただ数字が並んでいるだけなのですから。
だからこそ勉強してパターンで問題が解けるよって方もその式の表している意味ってのを考える癖をつけましょう。
一見パターンに合わない応用問題に出会っても意外と簡単なことを意味しているってこともあるのです。
もちろんパターンで考えることも大事なのでそれはまた機会があれば記事にします。
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