以前、漸化式の初級編は記事にしました。基本的なことだけをまとめましたので、簡単すぎると感じた方もいたと思います。今回は大学入試で出題される漸化式のほぼ全てに対応できる技術をお話ししたいと思います。今回は初級編で書いたことはわかっていることを前提にするのでわからないなら先にそちらをご覧ください。
初級者編漸化式上達するための必須条件
まず最初に応用的な漸化式を解く上で初級編以上の新たな考え方をする必要があるわけではないのです。というよりもむしろどんな漸化式でも前回扱った、等差数列型、等比数列型、階差数列型、特性方程式型の4通りで解くことができるのです。どのようにして、応用的な漸化式を変形して解ける形に持っていくかが今回話す全てなのです。
応用漸化式の基本
\(a_{n+1}=2 a_{n}+n\)
まず応用の1番の基本がこの問題です。すなわち、階差数列型でもなく、特性方程式型でもないのです。
特性方程式型に似ているといえば似ているのでまずは特性方程式を考えてみましょう。\(α=2α+n\)ということで\(α=-n\)となります。
\(a_{n+1}=2 a_{n}+n\tag{1}\)
\(-n=2 \times(-n)+n\tag{2}\)
(1)-(2)より\(a_{n+1}+n=2(a_{n}+n)\)となる。これをみて\(\{a_{n}+n\}\)が等比数列だと思ってはいけません。そうなるためには\(a_{n+1}+n+1=2(a_{n}+n)\)である必要があります。
つまり、\(n\)番目と\(n+1\)番目のまとまりにする必要があるわけです。
そのため、\(a_{n+1}+n=2(a_{n}+n)\)を少し変形していきます。と言っても両辺に1を足すだけです。
\(a_{n+1}+n+1=2(a_{n}+n)+1\)
こうすればもう左辺は\(n+1\)のみで構成されています。つまり、\(b_{n}=a_{n}+n\)とでもすれば\(b_{n+1}=2b_{n}+1\)となるのです。これは特性方程式型の漸化式なので、\(b_{n}\)は求めることができます。そうすれば\(b_{n}=a_{n}+n\)から\(a_{n}\)も求めることができるのです。
応用漸化式の考え方(指数を含む漸化式)
\(a_{n+1}=2 a_{n}+3^{n+1}\)
このような指数を含んだ漸化式の解き方を説明します。やるべきことを知っていれば簡単に解けます。両辺を\(3^{n+1}\)で割るだけです。
\(\frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}=\frac{2}{3}\frac{a_{n}}{3^n}+1\)
\(b_{n}=\frac{a_{n}}{3^n}\)とすれば、\(b_{n+1}=\frac{2}{3}b_{n}+1\)となるので、特性方程式型で\(b_{n}\)を求めることができます。\(b_{n}=\frac{a_{n}}{3^n}\)から\(a_{n}\)も求まります。
まとめ
今回は漸化式の応用問題の解き方を紹介しました。ここに挙げた問題の解き方は理解していないと困ることがあるのでこれくらいはマスターしておきましょう。
あとここに挙げた問題だけでなく考え方自体を理解しておくようにしていください。そうすることで多少の応用は聞くようになるのです。
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